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同じ「義務」という言葉が、国ごとに違うものを求める
排出証書の値を語るとき、「あの国は政府支援が手厚いから」という説明をよく使う。正しいが、実務で使うにはもう一歩踏み込む必要がある。
**政府支援とは具体的に何なのか。** 四か国の制度を原文で開いてみると答えが出る。
## 違うものを数える
**英国(RTFO)** — 供給した再生燃料の**体積**を数える。1リットル(または等価)ごとに証書を発行し、特定の廃棄物・残渣・専用エネルギー作物・RFNBO には二倍を与える。
**ドイツ(THG-Quote)** — 体積ではなく**燃料の温室効果ガス排出削減率**を数える。法文が「die verpflichtende prozentuale Minderung der Treibhausgasemissionen bei Kraftstoffen」である。
**韓国(RFS)** — **自動車用軽油にバイオディーゼルを何パーセント混ぜたか**を数える。2024〜2026年の義務比率は4.0%である。
**デンマーク**は性格が違う。義務制度ではなく生産者支援制度であり、いまは補助から入札へ移る途中である。
## なぜこの違いが値を分けるのか
体積で数えれば、決められた燃料を決められた比率で混ぜねばならず、その燃料でなければ計算に入らない。削減率で数えれば、排出を減らす経路であれば何でも計算に入る。
数え方が違えば、生産者が公的制度から得る収益も変わり、自発的市場の証書が上乗せすべき分も変わる。2巻で見た充当率27%・55%・83%の差はここから出る。
※ 本稿の各数値は、当該国の政府・議会・規制機関の文書で直接確認したものである。
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本稿は LCS EAC 特集 4巻『制度が違えば証書が負う分も違う』の一節を書き起こしたものである。レポート本文は英国運輸省、ドイツ連邦議会、デンマークエネルギー庁、韓国エネルギー公団が公開した文書を一次出典とし、一次出典で確認できなかった数値は載せていない。